バガボンド33巻 雑感  あきらめたら…

私は一つ思っていることがある。
戦争を知らないで反戦を語ること
恋愛を知らないで愛を語ること
生き死にをかけたことがないのに闘いを語ること
それらは不正か

答は三つある
不正ではない
不正である
不正であり、かつ不正ではない

井上雄彦を論じたいなら
井上の精神レベルと技術レベルに
尊敬の念を持ち
彼の歩む道のせめて半ばまでいかなくてはならない

例えば、どの一頁でもいいから
井上が描いた世界をそのままなぞりたい
無理だろうが
簡単に言えば模写したい、完全にコピーしたい
それくらいしなくては
到底彼の筆致を語る心構えができない

上手さを相対で語るしか論じるという作業は成り立たない
しかし、我々はその作家の持つ上手さという表層が
相対的に生まれるものではないことを知っている
知らないのはその語り方なのだ

このテーマは永遠だ
モノを取り上げる手つきの巧拙は
実は論じる本質ではない
だが、今はその手つきの妙でしか
「論じる」ことは成り立っていない

手さばきがうまい人間が
優れた論者であろうか?

水を掬った手つきで火も掬えるか

バガボンド33巻で仏師が
「あきらめろ あきらめたら そこで闘いは終わりだ 剣を手放せる」という時
私達は安西監督が三井寿にいった言葉を思い出すだろう
そして、この二つの言葉は殆ど同じものなのに
私達はまったく逆の価値を引き受けなくてはならない

拾い上げる手つきではなく
拾い上げたモノの方に価値があるということを
否応なく教えてくれる
井上雄彦とはそういう人だ

尊敬する
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 6

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い
ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック