岸本斉史 「ベンチ」雑感

「NARUTO」以外の岸本氏のマンガを見るのは久しぶりというか
殆ど初めてなわけだが
感想を述べる

野球を49頁で描くのは
なかなか難しいとは思う
そつなくサイドストーリーも含め
手堅く描かれていると思う

キャラもそれなりに立っていて
マンガを描くお手本になるような
一作だと思う

尺が短いので
これ以上のことは描けないと思うのだが
やはり不満は残る

まず野球を題材にしているが
野球そのものが描かれているわけでない
野球の場面は投手が投げて打者が打つという
その瞬間しか描いていない
なぜこれをいうのかというと
それほど動きが描き込めていないと思うからだ

つまり野球(だけなかのは分からないが)
スポーツ、競技としての動きに見えてこない

例えば2頁目に描かれているキャッチャーの
返球はやや不自然だ。

打者に向かって投手が投げるというシーンは
長い少年マンガの中で蓄積されたデータがあり
それ故、その場に相応しいあるべき絵が作者・読者とも
共有できている。その約束の上に乗って描くことは何も
批判されるべきものではないのだが
その域を出てないのもまた確かだと思う

つまり、「野球」という「素材」で描こうとしたという
ことなのだろう。
ではそれは成功しているのか、というと
水準はクリアしているとは言える。そのことは凄いことだと
思う。ただ、描ききれないのは頁の制約だけではないのではないか
…とも思うのだ。

と同時にNARUTOの完成度の高さも逆照射されるわけで
やはり長いスパンで描くことになれ、またそういう中で
物語世界を作り上げている岸本氏にとって
短編一作というのはなかなか手強い相手なのかもしれない
なので「新入部員の気持ちで頑張りました」という扉絵にある
コメントは実感なのだろうと思う
お連れ様です、と思わず口をつく
画像


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