一高演劇部 県大会への道1 ~エンターテインメント・プレイ~

劇団のロゴに「ENTERTAINMENT PLAY」という言葉を
掲げていたのは今はなき「惑星ピスタチオ」(佐々木蔵之介氏の所属していた
劇団でもある。もっとも当時を知るものとしては佐々木さんよりは腹筋さんとか
大和さん、ミラノさんの印象も強いのだが)であるが
私のやっているジアスのロゴにもこの言葉が記されている。

ジアスの旗揚げは今から約15年前
大雪で身延線が止まって、動員に大きく響いた公演からだった。
演目は「Vレンジャー 最後の聖戦」
題名からしてエンターテイメントっぽい(笑)

今回一高がやっている
「夏休みの風景」はこのブイレンジャーが登場する
つまり、ジアス流エンターテインメント芝居の嫡流なのである
今回の一高のテーマは〈笑って泣ける感動ドラマ〉といったところである

舞台にピュアなものを構築したくて
「あざとさ」や「わざとらしさ」、「過剰」などを極力排除して
言ってみれば純文学的な空間を希求した時期もあったので
ここに来ての大衆演劇への右旋回は、転向のように感じる古いファンもいるかもしれない

でも、もともとそういう資質であったと思うし
来てくれた人にある種のカタルシスを
与えることができないと見せる資格に悖るのではという
思いが最近強い。

そうして考えた時に頭に浮かぶのは
高校演劇で言うと
土田峰人氏の作る世界であった。

私は若い頃土田氏には随分失礼なメールを送ったことも
あり(そのメールは印刷されて船橋旭に配られたらしい・笑)
否定的な立場をとっていたこともあるが
今は「山姥」とかやってみたいものだ、と思っている。

その「山姥」と同じステージで上演させていただいた「アフリカのイヴ」が
名作「山姥」を差し置いて創作脚本賞をいただいたところで
私の創作の第一期とでもいう時代は終わったような気がしている。
装置・照明・音響と作品の抽象性のコラボといったらいいのか
「分からない」とか「むずかしい」とか「これのどこがいいの」と言われた
「アフリカのイヴ」だが、当時私の目指したものは全てこの中にたたき込まれている

最近の作、例えば「Stand By Me」や「にしえん」、そして今回の改訂版「夏休みの風景」
などベタ過ぎて、芸術性というか、ストイックさはどこにもない。
過剰であり、お涙頂戴的であり、わざとらしい。

いいと思っている。それで行こう。
お客にどんなに先が見えていても
結局こうなるんだろと斜に構えて見られていても
それでも、最後は涙を落としてしまうような芝居。
分かっているけど、最後はジーンとする芝居。
それが一高演劇部の目指す芝居である。


「Stand By Me」が某テレビ局のシナリオコンクールで
2200編の中で最終11編に残った時
テレビならこの路線は許されるのだ
と思うことが出来た。
そして、舞台にもそう言ったものを求めて良いと
今、私は持っている。

ドラマにも映画にもアニメにもラジオドラマにも、小説にもならないもの
を舞台で表現する、それが演劇だとずっと思っていたし
今も思っているのだが
それは、それができる、才能ある人に任せることにしよう
私の身近にもそういうことのできる全国レベルで優秀な書き手もいる
そういう人にそっち方面はお任せしよう

今度の県大会は結構面白いと思っている
やるとなったら涙腺緩め大作戦である
ありとあらゆる扇情的な手練手管を動員して
蛇口をひねるように涙を絞り出させてみたいものだ(笑)

迷いはない。
なぜか。
役者を信じているからだ。そしてそれがなぜ出来るか。
自分が役者出身であり、今も現役の役者だからだ。
芝居は多くの人がそれぞれの立場で作り上げていく。
私は作家であり、演出家であり、制作であり
デザイナーであり、照明プランナーであり、照明オペレーターで
あり、それ以上に雑用全般であることが多かった。
しかし、もし自分に何かしら人と違って胸を張れるものがあるとすれば
それは35年間役者であったということだ。
そのことが私の演劇観を支えている。表面上は変化しても
この部分が結局自分の演劇を支えてきた根幹である。

私が尊敬し、友とも思っている人に一言(先方ではそう思ってないかも知れないが・笑)
「ACT!」「FAR!」にいったん立ち戻ったらどうですか。あの世界に。峡北で作り上げたあの世界に
怒られるの承知で、そう言ってみたい
これでは昔の共愛学園の不完全なコピーみたいに見える
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