久美薫先生の講義-アニメと商品化権-

今日の夏目ゼミは
「宮崎駿の仕事」や「宮崎駿の時代」の著者である
久美薫先生を迎えて講義を受けた。

内容は「アニメと商品化権」
とても刺激的で面白い話だった。
商品化権とは何かというお話しから
日本のアニメーションでどのように商品化権が
発見され(!)行使されるようになっていったかを
歴史的に分かりやすく説明してくださった。

特に「鉄腕アトム」におけるマーチャンダイジングライツの問題について
かなり突っ込んでお話しいただいた。
関係者からの話では、話せない内容などもあり
そこはうかがうことはできないのだが
何かありそうな雰囲気がぞくぞくさせる。
手塚治虫と横山光輝の関係など、初耳のこともあって本当に楽しかった。

一般に手塚が鉄腕アトムで日本初のマーチャンダイジングライツを行使して
その後のアニメ作品がそれに追従したとされる定説に
疑問符をつけ、先生なりの解析から独自の仮説を立てている所がとてもスリリングだ。

手塚治虫のアニメーション制作における功罪について
新たな角度から新鮮で興味深い論を展開されている。

手塚は日本アニメの歴史を3年早くはじめさせてしまったとし
商品化権の観点から日本アニメの歴史を俯瞰しなおしたいと述べられた。
今の段階で先生が考えている、大まかな日本アニメの歴史とはどんなものなのですか
と院生が訪ねたところ
それに対する直接の答えという事ではなかったが
スクリーンに手塚治虫と宮崎駿の写真を写し、ここから話は始まるということを仰る。
手塚はアニメをしながらも、アニメ自体をマンガにを取り込まれてしまった。宮崎も取り込まれたが、そこを食い破って
生還した。その自負が宮崎にはあるのだろう…。だからあそこまで辛辣に手塚批判をしたのでは…
その話を伺いながら、宮崎駿の原作の翻案の仕方などの秘密はここにあるのか…とも思った。

話はどこまでもふくらみそうで時間が足りなかった。
先生は19時からまた取材を入れているので…と食事会には出ないで
山手線の中に消えて行かれた。
画像


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

KK
2011年11月10日 18:03
>スクリーンに手塚治虫と宮崎駿の写真を写し、ここから話は始まるということを仰る。

そのとき自分がどういう言い方をしたのか思い出せないのですが、こういう風に皆さんには取られたのですね。それで質問者のひとりから「天才史観(史観とは言われなかったけど)の否定が別の天才を主役にした新・天才史観になってしまわないか?」と訊かれた(これもうろ覚え)のかな?なぜこういう質問が来るのかあの場ではよく分からなかったのですが。

質問は夏目さんからのも含め、受けるたびに私の頭の中で回答はひらめくのですが、なぜこの回答になるのか、その思考過程を手際よくことばに置き換えられない自分自身になんどか苛立ちました。将棋指しが「なぜあのときこの手を指したの?」と訊かれてうまく語れない感じ、かな。

それから疑問にたいして答えを語ると、その答えが新たな疑問を生み出してしまって、それが連鎖反応して収拾がつかなくなる怖さと背中合わせの質疑応答--なんて言ったら大げさでしょうか。

あと数時間したら帰路に着きます。続きはまた。

この記事へのトラックバック