「一般意志2.0」雑感

遅まきながら感想。
出たときに買ったのだが、ようやく昨晩から本日にかけて読んだ。
奥付を見ると2011年12月6日で第2刷になっているから
二週間で刷を重ねたことになる。今はどの位なのかな。

面白かった。所々に「(笑)」というマークを付けたくなる。
「選良」も現実には特定の業界の専門家に過ぎず、その実態を
ツイッターなどで身も蓋もなく露呈してしまっている…などというところには
思わず「(笑)」を付けずにはいられない。
3・11以後、ツイッターで株を下げたランキング上位に
上げられる某氏の顔が浮かぶ。

さて、そうは言いながら、スピード感があり、スリリングで、かつ分かりやすく
面目躍如というところだろう。個人的にいうと今回の読了をもって、「動物化するポストモダン」が
ようやくよく理解できたということもある。10年前は実感をこめて理解出来ない部分があった。
(ただし、そのセンセーショナルさというか、衝撃は大きかったことは昨日のことのように思える。)

ルソーの「社会契約論」の〈一般意志〉を取り上げ、というかネタにして
手さばきも鮮やかに(かなり途中でアクロバチックなことを何度かしているが)
フロイト経由でローティ、ノージックまで持ってくるのは読んでいて面白かった。
たとえルソーを引き合いに出さなくても、同じことを書いたのだと思うが
でも「社会契約論」を現在のネット環境から読み解き「一般意志2.0」を立ち上げるという
やり方が実に面白くて、飽きさせない道具立てになっている。

ハーバーマスもアーレントも、ぶっちゃけもう無理でしょ、的な物言いが
(かなり危ういながらも)単純化されることによって快感を感じる昨今の風潮には
よくあっている。

「リアルの行方」で大塚英志とどこまでいっても話が交わらなかった理由の一つは
ここなんだろうが、現実にはだんだん彼の「○○なんだから○○について考えても仕方ないでしょ」
的な展開にならされて、今なら、あまり大塚英志に肩入れしないかもしれないな、とさえ思う。

でも、やはり、耳障りのいい、あるいは喉ごしのいいものにはなにか隠された理由もあるはず
と疑うのは年代的なものの考え方であろうか。ローティもノージックもこれでいいのかとか、シュミットも大丈夫かとか
そもそもアーレントとハーバーマスはどうなのよ。この先、元の本を読まない人たちは
こんなにダイジェストに紹介された内容を信じてしまっていいのか…的な不安はある。

そして、彼のいうツイッター民主主義=無意識民主主義が、熟議とデータベースの両面から成立するといって
いるものの(熟議を全く必要ないとは考えていないといってみるものの)、
また「動物的」であることを様々な角度から説明してみても
要するに「一般意志」とはモノなのだという割り切りに
(「結局○○なんだから○○に拘泥して先に進まないんじゃ意味がないよ」というニュアンスに)
そうだよね、と思いながら、どこかで引っかかっている感じが拭えないことも確かだ。
この感じは私の理解力不足や能力不足から来るモノなのか、彼よりも年代的に上だからなのか
よく分からないが、ずーっと前からとりついているものだ。東氏の人間性にかかわることか(笑)。

50年後に彼の娘さんがこの書をどう読むかは、彼でなくても確かに気になることろではある。
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