夢と狂気の王国

夢と狂気の王国/2013年 日本 監督 砂田麻美

全国で今のところ20館でしか上映されていないようだが
是非とも、上映館を増やしていただき、一人でも多くの人に
見てもらいたいと思える映画である

TOHOシネマズららぽーと横浜(プレミアスクリーン)で見る。
何しろ山梨ではかかっていないので。

NHKで「風立ちぬ」と宮崎駿については2回放映があった。
(『宮崎駿スペシャル 「風立ちぬ」1000日の記録』と
『プロフェッショナル 仕事の流儀/宮崎駿 引退宣言 知られざる物語 』)
両方とも私は駄作であったと前に述べた。

今回の砂田監督の『夢と狂気の王国』は、このNHKの番組の取材より
後から取材に入ったものと思われる。
しかし、その内容、伝える所は、NHKの作品の100倍は濃く、素晴らしい。
まるでNHKの番組はこの映画を引き立てるためにあったかのような観さえある。

宮崎駿、鈴木敏夫、高畑勲、そのほかに魅力ある多くの登場人物と猫のウシコ

私個人の考えとしては、宮崎吾朗氏の苦悩と劣等感に満ちた真剣な表情と
聞いていて心に痛い言葉が、最大の収穫の一つであった。「そうか、そうなのだ」と。
川上量生氏、厳しい仕事してるな…と思えた。
(これは全くの予想だが次作に吾朗氏の第三作目をという案があり、それは潰えたのではないかと…)

また、宮崎、高畑、鈴木3氏の今まで見たことのない写真・映像が見られたこと。
これもすごい収穫である。
庵野秀明氏と鈴木敏夫氏の車の中での会話。
西村義明氏の高畑勲評。
宮崎氏の「ジブリの未来は、会社がつぶれるということです。
これは決まっています。でもどうしようもない。」という言葉。
他にもいろいろと指摘したい箇所はあるのだが
そうした、さまざまな情報を、誠実で優しい眼差しでつないでいく。
スタジオジブリや宮崎駿の周りのちょっとした、それでいて美しい風景をおりまぜて

毎日のようにカーテンを開け、窓を開けて一日を開始する宮崎が
毎日のように窓を閉め、カーテンを閉じて一日を終える姿が描かれている。

言葉を大切にし、シーンが次のシーンの伏線に自然になっている。
言葉と絵が重なり、先程みたシーンが、今につながることが実感できる。

この砂田という人は本当に素晴らしい力をもった監督だ。
最後の長回しは本当にいい。宮崎駿という人物をよく表している。

音楽がいい。高木正勝という人も才能ある人だと思う。

とにかく、これを見てほしい。これを見ないとジブリは語れない。
「風立ちぬ」も「かぐや姫の物語」も
それ以前の全てが語れない。

そしてこれを見ると、それらの何かが少しだけだが、確実に分かるような気がする。
画像

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