山口百恵→AKB48 ア・イ・ド・ル論/北川昌弘とゆかいな仲間たち

2013.8.24 宝島社新書

この本が面白いのは、速水健朗の「1995」などにもつながる
現代文明論になっている部分。とくにテレビの衰退現象を
アイドルという観点から見ている点だ。

第1章 アイドルの誕生とアイドルの定義
     …スタ誕など
第2章 80年代アイドル黄金期
     …花の82年組など
第3章 アイドル冬の時代と脱アイドル現象
     …脱アイドルを目指したアーティストたちなど
第4章 TPDとAKB48の共通点と相違点

第5章 モーニング娘。の成功とウリナリ
     …ドキュメントバラエティーなど
第6章 モーニング娘。を作った男 音楽アイドル復権のキーマン

第7章 複製技術の進歩とライブ現場の再評価

第8章 AKB48の登場からブレイクへ!!

第9章 テレビの衰退とアイドルの変質
     …テレビアイドルからライブアイドルへ
     …グループアイドル(仮)=GI(仮)

大きな流れとしては映画アイドルからテレビアイドル。テレビアイドルからライブアイドル。
節目節目にあるのは活動媒体の変換(映画→テレビ→テレビの衰退)と
音楽系アイドルに限れば、楽曲を販売するメディアの変換(レコード→CD→ネット配信)
特にテレビの衰退傾向とCDの売れ行き不振はある意味同根であり、
ファンはいつでも逢えるアイドルを志向するようになった。

北川が、時代時代のアイドルをこうした観点で切り分けていく手さばきは面白い。
その時代に受けたアイドルは、ある意味では王道であり、またある意味ではその王道から外れてもいる
数多くのアイドル名が出てくるが、その中で特筆すべき活動をしたアイドルは、やはり時代の要請に
自然に沿っていた、あるいは時代を自分に沿わせたのである

CDが売れない時代にあって、求められるアイドル像。
テレビを見ない人が増えると、自然に全国区のアイドルよりはご当地アイドルのような
流れもできる。また常設劇場を持ちライブ感を大切にするアイドルも受ける。
テレビ衰退期にあって、ドキュメントバラエティーという分野でかろうじて、というか奇跡的に
最後のテレビアイドルたり得たモーニング娘。自体が、今、生き残るためにライブアイドル化していく。
そしてその先端を走るAKB48の存在。

この後、どうアイドルは展開するのか。それは、またネットが主流になり
自分の好きなものを好きなときに見聞きする風潮が今後どんな風に発展するかと
大きく関わっている。と同時に生のステージ、アウラの復権も今後も大きな鍵を握るだろう。
1970年代から2013年までを俯瞰する面白い文化論になっている。
画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

KK
2014年01月20日 23:54
これ、面白そうですね。さっそく読んでみます。

この記事へのトラックバック