「幕が上がる」雑感 (ネタバレあり)

2015 日本/監督 本広克行/脚本 喜安浩平/原作 平田オリザ

初日の朝一で近くのTOHOシネマズ甲府に家族4人で行く。
スクリーン6という一番大きいところだった。
残念ながら客の入りは2割ほど。ももクロのファンとおぼしき人と
子ども連れが2組。その他…という感じ。もっともっと入ってほしい。

良かった。良いだろうと想像はしていたが、想像を越えて良かった。
一見の価値はある。ももクロファンの人も、高校演劇ファンの人も
それ以外の人にもぜひ、ぜひ見てほしい。

原作に命を吹き込んでいる。原作は原作で素晴らしいが
映画は映画でまた素晴らしい。
高校演劇の当事者としては、リアルな、いつも見ている世界が
かなり正しい形で描かれていると思う。

百田夏菜子・玉井詩織・高城れに・有安杏果・佐々木彩夏
黒木華・ムロツヨシ・志賀廣太郎

ももクロの5人はとても自然。素晴らしい。
黒木さんの吉岡先生、原作以上の雰囲気を出していたと思う。
国語の滝田先生役の志賀さん、圧巻。
溝口先生役のムロツヨシさんも原作以上の出来。

その他、清進学院高校を青森中央がやっていて、畑澤氏が顧問役。
原作ではワンマン顧問「キツネ」率いるいやな高校という感じがしたが
その辺は脱色してあった。

男子部員が一人もいない設定になっているが、それはそれで良かったように思う。

昨年夏の茨城・ひたちなかので行われた全国大会のシーンも入っていて
高校演劇の現在のリアルな様子も伝えていて好感がもてる。

吉岡先生がビルの見える場所へ部員を連れて行くシーンは
私の心の中の絵の方が美しいかな(笑)と思ったが
それ以外はとてもきれいな絵で感心した。

特に最初から、ローカル線の電車を映していて
それが「銀河鉄道の夜」につながっていく演出はさりげなくも良かった。

原作では北関東の地方高校だったが、これが静岡の学校になっている。
これもアリかなとおもった。富士市の製紙業なんかの話題も何気なく取り入れていて良い。
どこの家族も作り物っぽくないのが良いと思った。

この感動は、多分、私や演劇部員たちが30年という歴史の中で
出くわしたエピソードそのものを映画にしてあることに拠っていることは間違いない。
かなり私情が混じっているため、評価が甘いかもしれないが
しかし、「高校演劇」とはこういうものなのだ。それを絵にしてくれた。うれしい。という想いだ。

客席にはまだまだ余裕がある。ぜひぜひぜひ、足を運んでほしい。
みて絶対損はない。

あと、個人的には、審査員役で高井浩子さんが出てたり、
「修学旅行」「もしも高校野球の女子マネージャーが青森の「いたこ」を呼んだら」
「翔べ!原子力ロボむつ」などの畑澤先生の高校演劇作品が映ったこと、
などの見どころもあった。

とにかくいい映画です。私はまた行きます(笑)
画像

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この記事へのコメント

KK
2015年03月03日 10:15
もうひとつ合唱部の映画もあるようですね。自分は演劇と合唱の両方を経験しています。声質がそんなによくないのでマスで歌うと埋もれてしまいがちで、それがソロで歌うと音楽の先生から「あなたこんなにうまかったの?」と言われるパターンでした。
はやおとうじ
2015年03月04日 08:15
KKさん、コメント有り難うございます。
合唱部の方は「くちびるに歌を」ですね。
こっちも見たいと思ってます。
両方に所属していたKKさんは
ぜひ両方見てください。
「あの日」のKKさんが
きっとスクリーンの中にいますよ
KK
2015年03月10日 07:19
観て参りました。このブログで綴られる演劇部の日々を、部長の生徒目線で再構成するとこんな感じになるんだな、という印象を受けました。顧問の先生が最後までコミックリリーフで、美術の先生による鬼指導がコマ落としとももクロの楽曲で一気に処理されてしまうのは、生徒目線を主軸に維持するためでしょうか。はにかむ感じで妙に歯切れのよいしゃべり方を三年生たちがしますね。ああ歌いこんでる子の喋り方だと思いました。原作では男子部員も出てくるのですか。全員が女子生徒なのは風通しをよくするためでしょうか。ラストにアイドル映画になってしまってかなり気持ち悪かったです。主人公のモノローグと実際のふるまいのシンクロ率が高い演出は、うーん歯切れがよくて物語がわかりやすくなる一方、どこか作りものくさくなりますね。青春映画&アイドル映画&フジテレビ映画(ですよね)だからああなるんでしょうか。左利きの描写とか、ジュースを相手の側から引きよせるところとか、体感を刺激するユーモアは巧い。全体としてはスズメが12羽ぴーちくぱーちくする1時間40分という印象でした。美味しいけれど食べなれない料理をいただいて帰路ちょっと気分が悪くなる感じ。
はやおとうじ
2015年03月10日 07:38
KKさん、見に行ってくれたんですね。有り難うございました。あまり印象は良くなかったようですが、経験者であるかたに見てもらえたのはうれしいです。「くちびるに歌を」もぜひ。「幕が上がる」とは全く違うコンセプトの映画です。
KK
2015年03月10日 13:05
とてもよくできている映画だと思いました。ただちょっと個人的な思い出とかいろいろ絡んでいるので、びみょーに退いてしまいます。

女子しかいない設定なのは、スポ根ものにするためかもしれないですね。男女混交だとどうしても恋愛ドラマを誘発してしまうし。部活ものとスポ根ものの折衷的というか。自分は部活系の濃厚な人間関係が苦手でした。終わり方がいかにも来年フジの土曜9時枠で放映するのを想定している感じでちょっといただけなかったです。

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