ドラゴン・ヘッド

ドラゴン・ヘッド  望月峯太郎
ヤングマガジン1994-2000

「アイアムアヒーロー」を読んでいて
ドラゴンヘッドを思い起こしたので一言。

この作品に対して、いろいろと意見があることは知っている。
例えば、
題名と作品内容の関係性が浅い。
伏線が回収されていない。
登場するものがどれも描ききれてない。など。

しかし、むしろ2015年の現在から見た方が
この作品の特長がよく分かる。
とくに具体的な陰謀やら、秘密やらを描こうとしているわけではなく、
中途半端に見える「傷頭」のことも実はそんなに問題ではない気がする。

人間は本来何千㎞も離れたところで起こっていることを
知りうる術はなく、それが当たり前だった。ところが、文明の発達によって
いながらにして世界各地の出来事をしることができるようになった。
それが当たり前になってしまったとき、
情報が何ももたらされなくなったときに感じる「恐怖」。
知る術がなくなった時に、知らないことに対する根本的な「恐怖」。

望月が描こうとしていたのは、そういう曖昧だが重く強烈な「恐怖」だったのだと思う。
それを描くことには、それなりに成功していると思う。
また未曾有の大天災にあっても、多分何十年何百年たてば、再び人びとの生活が
始まり定着していくという事実が描かれている。
それはたくましい人類の力とも言えるが
人間の記憶の痛々しいまでの風化と見ることもできる。

完成度は別にして、問題提起になった作品だと思う。
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