〈文化〉を捉え直す――カルチュラル・セキュリティの発想 雑感

2015.11.20 渡辺靖 岩波新書

評判の本だと後から知った。
上高の図書館にあったので偶然借りて読んだ。

かなり刺激的な本であった。
読みながら、一読では捉えきれないので
3・4回読みたいと思った。

まず「カルチュラル・セキュリティ」という概念が興味深い。
貧困や差別を乗り越えるために、物質的な整備だけではなく
文化活動や文化環境の整備を、ということかな。

全体的に二項対立を越えようとする
とても現実的でしたたかな方向性か見え、
それが空論ではないと思わせる説得力があって面白かった。
ポストモダンとスーパーモダン
本質主義と構築主義
二つを対立的に捉えて片方に旗を上げるのではなく
現実的な道を探る感じがよかった。
本質主義に堕することなく、しかし、構築主義の陥る可能性がある
極端な相対主義からも離れる。

パブリック・ディプロマシーの話もとても興味深い。
筆者の大学院時代の話も文化人類学の50年の歴史を
概観するようで個人的に好きだった。

いずれにせよ、一回読んだだけでは全然わからないことだらけ。
でも、こういう本は好きだ!という感じは強く持った。
だから前述したように何回か読みたいと思う。

60年代、現代思潮の大きなうねりの火付け役は「文化人類学」だった。
全てが時系列的に右肩上がりで進歩するのではない、と教えてくれたのは
「文化人類学」だったと思う。
その「文化人類学」が、今、どこに立って、どう歩みを進めているかを
知ることも驚きに似た感動を与えてくれる。
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