『秋田實の笑いの変遷』

藤田富美恵 著  / 2017.9.10 / 中央公論新社

戦前・戦中・戦後、漫才作家として活躍した秋田實氏の
生涯を娘である藤田氏が書いた評伝。

とても興味深く、また面白く2日で読んでしまう。

秋田氏が単なる漫才作家ではなく、「笑い」を
生涯探求し続けた稀有の存在だったことがよく分かる。

旧制大坂高校から東京帝大支那哲学科へとすすみ
藤沢桓夫、長沖一、大宅壮一、小林一三などの人々との交流
新感覚派的小説からプロレタリア文学へと移行し
左翼活動をし、終戦は新京で迎え、芸人たちを守ろうと
苦労したこと
吉本興業・新興演芸・宝塚新芸座、松竹芸能とわたりながらも
「笑い」を愛し若手を育て新しいエンターテインメントを希求し続けた
その姿を、娘として愛情あふれる筆致で描いていて好感が持てる。

秋田實氏のことは拙作『Stand By Me-日光照代・鈴与伝-』執筆の折に
勉強させていただいた。国策漫才といえるであろう「防空戦」の中に
それでも庶民感覚の笑いを盛り込んだ姿勢に感心したものだった。

ぜひ多くの人に読んでほしい一冊。
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