下り坂をそろそろと下る

3冊本を読んだ。
いずれも、今の日本社会が右肩下がりになって、今後様々な意味で衰退して行かざるを得ない状況で、どうしたら良いかについてヒントを与えてくれる。

『縮小ニッポンの衝撃』NHKスペシャル取材班  講談社現代新書 (2017.7.19)
これから50年で人口が3900万人減少する日本。今まで当たり前だと思っていた公共サービスの多くは当たり前ではなくなる。豊島区ですら2035年には財政不足に陥り2060年には財源不足が100億円に達する。日本自体が『夕張』化するという事実。
地方再生といって移住者を募ったりしてももはや解決にはほど遠い。地方は再生ではなく集団移転を考えたり、どうやって緩やかに終わりを迎えるかを考えなくてはならない。
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『限界国家-人口減少で日本が迫られる最終選択-』毛受敏浩 朝日新書(2017.6.30)
世界の人口学者から「日本はもはや手遅れ」と評される人口減少対策。
  筆者は移民について語る。国民に根深くある「移民政策」への拒否感。現状を把握し、移民に対する偏見を取り、今後の方向性を考えるというもの。実は「移民」という言葉は回避されているものの実質的に移民受け入れは始まっていると筆者はいう。移民を公に受け入れるための段階的な方法、気をつけるべき点などが具体的に書かれている。
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『下り坂をそろそろと下る』平田オリザ 講談社現代新書 (2016.4.13) 
日本は「下り坂」に入っている。もう昇ることはない。過去の栄光にすがって上から目線でいると自分たちの立ち位置を見誤る。私たちは価値観を変換しなくてはならない。「子育て中のお母さんが、昼間、子どもを保育所に預けて芝居や映画を見に行っても後ろ指を指されない社会」を作る。これができなければ少子化問題は根本的には解決できないだろう。随所に司馬遼太郎を引用しながらもう日本はアジアの一等国ではなく、また工業立国でもなく、成長社会にはもどれないことを指摘し、下り坂をそろそろと下りながら、よりましな選択をするとしたらどうするべきかを説いている。キーワードは「地方」と「文化・芸術」
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私も、もう少しで高齢者になるわけで、今後の国のこと、地方のこと、我が身のこととして読んだ。「高度成長期」と「戦後民主主義」に生きた、「頑張れば明日はきっと良くなる」と思うことのできた世代にとっては、今の現状、この国の将来を受け入れるのはなかなか難しいわけだが、しかし、成長神話やガンバリズムを捨て、どう最期を見苦しくなく穏やかに迎えるかを考える時なのだと痛感した。

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