謎のマンガ家・酒井七馬伝/中野晴行

このGWは、手塚治虫に関係のあった人達の
伝記を読もうと思っていて
その一冊目は中野晴行氏の「謎のマンガ家・酒井七馬伝」
である。
補増改訂版が出ているようなのだが
2007年のオリジナル版で読む。

面白かった。
酒井七馬と言えば手塚と二人で「新寶島」を
この世に送った人だが
晩年は淋しく、コーラだけ飲んで餓死したという
話がまことしやかに流れている。
かく言う私も「消えたマンガ家」(大泉実成)の
鴨川つばめのインタビューに出てくるこの話を
信じていたし、鴨川が触発されたという
酒井の書いた「漫画家入門」の話を
ある種いい話と思って記憶していたので
良い意味で驚いた。

中野が丁寧に取材する中で
決して餓死したわけでも
「新寶島」のあと全く仕事がなかったわけでも
ないことが分かり、それ以上に
酒井の描くことへの情熱と真面目さが分かって
よかった。
また、鴨川が触発された「漫画家入門」は
名前だけで殆どタッチしていないことも
改めて知った。
何がその人の人生を変えるかは
その本の持っている真実とは関係ないものなのだ。

手塚との不仲説も
手塚の心の中は分からないとしても
表面的には巷間言われているようなものでは
なかったらしいということも分かった。

むしろ、手塚治虫という人物が
戦後日本のマンガ史の中で
かなりはじめから密接に関わっていることが
改めて分かって面白い。

酒井が戦前アニメに関わっていたということも
非常に興味深い。

下川凹天が日本最初のアニメに関わりながら
アニメ作成において目を照明で痛めて離れて以来
関わらなかったというようなことも思い出す。

日本のアニメの創生期から戦中にかけて歴史は
本当に興味深い。

まとまらないが、こういうルポは読んでいてとても面白い。
横井福次郎の伝記についても読んでいるので、近々
アップします。
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